外壁塗装
お客様が工事前に知っておきたい事|これからの外壁塗装
時代は自社施工?これまでとこれからの塗装業者
外壁塗装の業界も、ここ数年でずいぶん変わってきたと感じます。昔ながらの職人直営の塗装店だけでなく、フランチャイズに加盟している会社、コンサルを入れて集客に力を入れている会社、野立て看板やチラシを大量に出している会社など、今は本当にいろいろな形の塗装業者があります。
お客様から見れば、どの会社もホームページはきれいに作られていますし、実績や保証、安心感をうたっているため、どこに頼めば良いのか分かりにくい時代になっていると思います。
ただ、現場で長くこの仕事をしている立場から見ると、これからの塗装業界は少しずつ流れが変わっていくのではないかと感じています。これまでは、広告や営業の力で多くの問い合わせを集める会社が目立っていましたが、これからは実際に現場を動かせる会社、つまり自社施工で責任を持って工事ができる会社が、より選ばれる時代になっていくと思います。
もちろん、フランチャイズやコンサルを活用している会社、広告に力を入れている会社がすべて悪いという話ではありません。お客様に会社の存在を知ってもらう努力は必要ですし、きちんとした考えを持って運営している会社もあると思います。
これまでは集客力のある会社が目立っていた
ここ数年、塗装業界では集客に力を入れる会社がかなり増えました。ホームページを作り込み、チラシをたくさん配り、野立て看板を出し、インターネット広告を使って問い合わせを集めるという流れは、塗装業界でも当たり前のようになってきています。
それ自体は、決して悪いことではありません。どれだけ良い仕事をしていても、お客様に知ってもらえなければ依頼にはつながりませんし、会社として営業努力をすることは当然必要です。
ただ、少し気になるのは、仕事の中心が良い工事をすることよりも、仕事を受注することに寄りすぎている会社もあるという点です。
問い合わせを集めること、見積もりに行くこと、契約を取ること。もちろんそれらも大事な仕事ですが、外壁塗装は契約を取ったら終わりではありません。むしろ、本当に大事なのは契約した後です。
下地処理をどこまで丁寧に行うのか。塗料を正しく扱っているのか。細かい部分まで手を抜かずに仕上げているのか。工事中に気になることがあった時、誰が責任を持って対応するのか。
こういった部分が曖昧なままだと、お客様にとっては不安の残る工事になってしまいます。
私は、塗装業者を選ぶ時に大切なのは、会社の見せ方だけではなく、その会社が現場とどれだけ近い距離で仕事をしているかだと思っています。
宣伝広告費が大きくなると、工事以外の費用も大きくなる
塗装工事の金額には、塗料代、足場代、人件費、現場管理費など、いろいろな費用が含まれています。さらに、会社によっては広告費や営業費、フランチャイズ費用、紹介料などが大きくかかっている場合もあります。
もちろん、広告を出すこと自体が悪いわけではありません。お客様に知ってもらうためには、ある程度の宣伝も必要です。
ただ、その費用は最終的にどこかで回収しなければなりません。
つまり、お客様が支払う工事金額の中に、どれだけ実際の施工に使われているのか、どれだけ工事以外の部分に使われているのかという視点は、これからますます大事になってくると思います。
外壁塗装は、金額だけで判断するのが難しい工事です。安ければ良いわけでもありませんし、高いから必ず安心というわけでもありません。大切なのは、その金額の中身です。
どんな職人が入るのか。どんな塗料を使うのか。下地処理にどれだけ手間をかけるのか。誰が責任を持って最後まで見てくれるのか。
そこが見える会社の方が、お客様にとっては安心しやすい時代になっていくと思います。
職人不足で、現場を任せられる人が少なくなっている
今、建設業界全体で職人不足が大きな問題になっています。塗装業界も例外ではなく、経験のある職人、安心して現場を任せられる職人は、年々少なくなってきていると感じます。
職人は、急に増やせるものではありません。求人を出して人が入ったとしても、すぐに一人前の仕事ができるわけではなく、刷毛の使い方、ローラーの動かし方、下地の見方、乾燥時間の判断、天候の読み方、養生の丁寧さなど、現場で時間をかけて覚えていくことがたくさんあります。
だからこそ、これからは仕事を取れる会社よりも、実際にきちんと施工できる会社が強くなっていくと思います。
どれだけ宣伝が上手でも、現場を任せられる職人がいなければ、工事の品質は安定しません。逆に、自社で職人を抱え、現場をよく分かっている会社は、急激に件数を増やすことは難しくても、一軒一軒の品質を守りやすいという強みがあります。
これからの職人は、会社の中身も見ている
もうひとつ、これからの塗装業界で大きな問題になってくるのが、職人の確保だと思います。
昔は、職人の世界というと、厳しくても我慢して覚える、背中を見て覚える、という考え方が強かった時代もありました。もちろん、技術の世界なので甘いだけでは続きませんし、現場で身につけていく大切さは今も変わりません。
ただ、今の若い職人や、これから職人になろうとしている人たちは、給料や待遇だけを見て会社を選んでいるわけではないと思います。
- その会社がどんな考えで仕事をしているのか。
- 経営者がどんな人なのか。
- お客様に対して誠実な仕事をしているのか。
- 現場を大切にしている会社なのか。
そういった部分も、かなり見られていると思います。
実際、塗装会社に入っても、すぐに辞めてしまう職人は少なくありません。もちろん本人側の問題もあると思いますが、会社側にも原因がある場合は多いと思います。
自分たちが丁寧に仕事をしても、それを会社がきちんと評価してくれない。お客様のために良い仕事をしたいと思っても、会社の方針が契約や売上ばかりに向いている。そういう環境では、若い人が長く続けるのは難しいと思います。
これからの塗装会社は、 お客様から選ばれるだけでなく、 職人からも選ばれる会社 でなければ、続いていかないと思います。
そういう会社でなければ、安定した工事品質を守ることは難しくなっていくはずです。
物価高騰で、無理な価格競争は続かない
ここ数年、塗料、シーリング材、足場資材、燃料費、人件費など、工事に関わるものは全体的に上がっています。
このような状況の中で、昔と同じ価格のまま、同じ品質の工事を続けるのは簡単ではありません。それでも安さを前面に出して仕事を取り続けようとすると、どこかに無理が出てしまいます。
塗料のグレードを下げるのか。下地処理にかける時間を減らすのか。職人の手間を削るのか。現場管理を簡単に済ませるのか。
もちろん、すべての会社がそうという話ではありません。ただ、塗装工事は完成してしまうと見えなくなる部分が多い仕事だからこそ、無理な価格競争になりやすい面があります。
お客様にとって大切なのは、安く見える見積もりを選ぶことではなく、その家に必要な工事がきちんと含まれているかを見ることだと思います。
外壁塗装は、家を長く守るための工事です。その場だけ安く済ませても、数年後に不具合が出てしまえば、結果的に高くついてしまうこともあります。
だからこそ、これからは価格だけではなく、誰がどんな考えで工事をしてくれるのかまで見て選ぶ時代になっていくと思います。
これからは自社施工の会社が見直される
私は、これからの時代は自社施工の会社が見直されていくと思っています。
その理由は、現場との距離が近いからです。
自社施工の会社は、営業だけ、管理だけ、施工だけと完全に分かれている会社に比べて、お客様の声が職人に届きやすく、現場で気づいたこともすぐに共有しやすいです。
また、無理な工程を組みにくく、仕上がりに対しても責任を持ちやすいという良さがあります。
外壁塗装は、ただ塗料を塗れば良いという工事ではありません。外壁の状態、ひび割れ、コーキングの劣化、旧塗膜の状態、日当たりや風通しなど、現場ごとに判断しなければならないことがたくさんあります。
その判断を、現場を知らない人だけで決めてしまうのは、やはり少し怖い部分があります。
もちろん、自社施工だから必ず良いというわけではありません。自社施工でも、説明が不十分だったり、現場管理が甘かったりすれば意味がありません。
ただ、職人不足、物価高騰、広告費の高騰が続くこれからの時代では、現場を自分たちで動かせる会社の方が、お客様にとって分かりやすく、安心できる存在になっていくと思います。
経営者の顔が見えない工事は、不安が残りやすい
塗装工事では、契約から工事完了までの間に、経営者や社長の顔を見ることなく終わってしまうケースもあります。
営業担当が見積もりに来て、契約をして、工事は別の職人や下請け業者が行い、完了確認も担当者だけで終わる。
大きな会社では、そういう流れになることも珍しくありません。

ただ、私は外壁塗装のような高額で、しかも家を長く守る工事では、契約前に経営者がお客様と顔を合わせることは、とても大事だと思っています。
なぜなら、最終的にその工事に責任を持つのは会社だからです。
- どんな考えで仕事をしているのか。
- 何を大切にしている会社なのか。
- 困った時に誰が責任を持って対応してくれるのか。
そこが見えないまま契約するのは、お客様にとって不安が残りやすいと思います。
特に塗装工事は、工事が始まってから分かることもあります。外壁の傷み具合、下地の状態、雨漏りの可能性、コーキングの状態など、現場で判断しなければならない場面もあります。
その時に、営業、管理、職人、経営者の距離が遠い会社だと、判断や対応が遅れてしまうこともあります。
これからの時代は、ただ会社の名前が大きい、広告をよく見る、ホームページが立派というだけではなく、経営者の顔が見える会社かどうかも、業者選びの大切なポイントになっていくと思います。
契約前に経営者が顔を合わせない。
現場にもほとんど関わらない。
誰が責任者なのか分かりにくい。
そういう会社は、これから少しずつ選ばれにくくなっていくのではないかと思います。
塗装業界は、見た目より中身で選ばれる時代へ
今までは、ホームページがきれい、チラシが立派、看板をよく見る、という理由で安心感を持つお客様も多かったと思います。
それも一つの判断材料ではあります。
ただ、これからはそれだけではなく、どんな人が来るのか、誰が工事をするのか、現場をどれだけ知っているのか、工事後もきちんと対応してくれるのか、そういった中身の部分を見て選ぶ時代になっていくと思います。
外壁塗装は、工場で作られた商品を買うのとは違います。同じ塗料を使っても、誰が塗るか、どこまで下地を整えるかで、仕上がりも持ちも変わります。
だからこそ、会社の規模や宣伝の大きさだけでなく、その会社が現場とどう向き合っているかを見ていただきたいと思います。
最後に
これからの塗装業界は、ただ大きく見せるだけの会社よりも、きちんと現場に向き合える会社が残っていく時代になると思います。
たくさん広告を出している会社が悪いということではありませんし、フランチャイズやコンサルを活用している会社がすべて悪いという話でもありません。
ただ、外壁塗装で本当に大切なのは、最後は現場です。
どれだけきれいな言葉を並べても、実際に家を守るのは現場の仕事です。下地を整え、必要な工程を守り、細かい部分まで丁寧に仕上げる。その積み重ねが、数年後の状態に出てきます。
これから塗装業者を選ぶ方には、金額や宣伝だけでなく、誰が責任を持って工事をするのか、どんな考えで施工しているのか、そこまで見て選んでいただきたいと思います。




































