コラム
私がチラシやインターネット広告に消極的な理由
最近では外壁塗装を請け負う窓口は日々多くなっています。
お客様によっては選択肢が増えて喜ばしい事かもしれません。
でも実際に作業する業者の数は横ばいの様な気がします。
私が職人の世界に入った頃にお世話になった職人さん達も、現役でいる人はだんだん減ってきました。
最近では当たり前となりつつ『効率化を求めた工事』。
確かに仕事をするうえで効率化を求める事も必要ですが、それ以上に大事な事を多く学んだ修業時代が懐かしく思います。
仕事の効率化を求める事は大事だけど塗り替え工事では手抜き工事と紙一重
効率化だけを求めると、職人ではなく商人的な発想になり仕事を受注するのがメインの体質になりがちですが、私も過去に一度だけ、職人ではなく商人的な発想を取り入れようとして、インターネット広告にチャレンジしたことがありました。チラシについても年に数回の配布をしていましたが、現在は1年に1回やるかやらないかです。
宣伝広告費を大量に使っていたときの流れ
集客しないと仕事が無い(先が不安)
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チラシやインターネット広告を実施
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受注が増える
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同業者から応援を呼んだり、新しい職人を入れようかと悩む
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広告費を掛けているので、工事金額の上昇
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同じ質であっても、広告費が工事代金に上乗せされているので相見積で負ける事も
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チラシを配布する業者が乱立しはじめ競争が激化。
(私もそうかもしれませんが、この手法がいい!こうやったら受注ができる!って情報を聞くといっせいに同じ方向を向く業界です。)
ここである選択に迫られた若いころの私。
B 自社でこなせる分だけの仕事を受注し、宣伝広告費は最小限にし、ホームページと口コミで仕事を受注。
目先の集客、売上、拡大・・・・そのうちに他社を蹴落としてでも受注したいという気持ちが芽生えてきた頃でもありました。
独立した当初の熱い想いは消えかかり、楽しかった仕事が苦しく思うようになっていました。こんな仕事の仕方でいいのか?これで本当にお客さんの為になるのか?
そんな自問自答の日々でした。
チラシやインターネット広告で一件受注するのに掛かるお金は約15万円と言われる近年で、私が選んだのはご存じの通りBの道でした。
しかし今でもどちらが正しいかは正直わかりません。
自社の事や利益、会社を大きくする事を考えるなら間違いなくAの道で、社会的信用もあると思います。
ただ、『お客様の為』と普段から言っている以上、岩田塗装店を信用してくれた方には誠心誠意向き合いたいと考えています。
今では、必要以上の仕事を受注する必要もなければ、無理に職人の数を増やす必要もないと考えています。
私が若いときに教わった本物の職人の方々。
その方々に見られても胸を張って『このお宅は岩田塗装店で塗りました!』と言えるくらいの仕事です。
チラシをやめた時は苦労もありましたが、今では少しずついいスパイラルが出来つつあります。
ちなみにAの道を選んでいたら今頃は宣伝広告費と言う名の特効薬から抜け出せない体質になっていたかも知れません。たくさんの宣伝広告費を掛けている分、相見積(何社かの見積もり)の時に、自分たちの長所ではなく、他社の短所を言って受注したいと考える自己中心的な人間になっていたかもしれません。(私はどこの業者にも短所も長所もあり、完璧な業者は無いと思っています。)
もしも宣伝広告費を使い続けていたら
競争に負けない様に今まで以上にチラシを配布
↓
宣伝広告費を掛けている以上、問い合わせがあった場合は何が何でも受注したい。
↓
質の低下 価格の上昇のどちらかで対応。
↓
最初に戻る。
そうかもしれませんね 怒
虫歯があって、頭が痛くなった時はあなたならどうしますか?
薬を飲んで痛みを一時的になくすか、虫歯の治療をするか?
こんな問題に少し似てるかなって思いました。